朝礼訓辞

平成29年1月 朝礼訓辞

明けましておめでとうございます。

周期蝉という蝉が、アメリカのある地方にいるそうです。
蝉はあぶら蝉ぐらいの大きさで声もどこかあぶら蝉に似ているのですが、声が大きくて
とても騒々しいそうです。
 この蝉は、朝早くから大群で鳴き始め、森を振るわせます。
蝉は鳴き始めてから鳴き終わるまで、区切りが解りません。
朝から晩まで、鳴き続けるのです。一匹がどれ位、鳴くかも解りません。
 この蝉は、森の樹の梢に産卵します。そこで、卵は幼虫になり枝が枯れて折れると、
幼虫は地面に落ち、地下に潜ります。
そして、潜り込んでから地中で17年かかって成長するのです。
 雌の蝉は、産卵の時、夢中になり下が川だったり、地だったり、道路の上だったり
することもあり、このような時は、幼虫は育ちません。
 アメリカのエルキン地方というところが有名なのですが、その地域でも森によって
好みがあるらしく、どの森でもといったことはなく、ぽつんぽつんと離れているのも
普通の蝉とは違っています。
 鳴き始めてから、40日くらいで突然全て鳴き止みます。
数匹が生き残って鳴くこともなく、その終わりは見事という他ありません。
 17年地中で育ち、地上で40日鳴き続け、その一生を終わります。

 人間は10ヶ月、母の胎内にいて、運のよい人は、100年も生き永らえます。
一方、生後間もなく死んでしまう人もいます。
 この差は、何なのだろうと思いますか。
私達は、自分の命は自分で決められません。何時生まれて、何時死ぬのかは、
すでに決まっていると思います。
周期蝉も、同じだと思います。

 生きてる間は、働ける間は、周期蝉が40日間必死に鳴いて、その一生を
終わるように、私達も一生懸命に働いて、その一生を終わりたいものだと思います。

体に気を付けながら、患者さんとその御家族のために、また自分のために、
また自分の子供達のために頑張りましょう。

 今年もどうぞよろしくお願いします。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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