朝礼訓辞

令和2年9月 朝礼訓辞

 台風10号は、前評判のような被害もなく、せいざん病院でも窓ガラス1枚割れることなく、患者様達にも何の変りもなく、通り過ぎて行ってしまいました。
 だが、まだ新型コロナは猛威をふるっていて、油断なりません。種子島にだけは、侵入して来てほしくないというのが島民の願望であり、これからも予防に更に注意を怠らないようにしましょう。
 安倍総理大臣は潰瘍性大腸炎で体調が思わしくなく、辞職されるようで政治の面でも、日本は混沌としています。

 約500年前、ペストという疫病が流行し、世界の人口の3分の1にあたる約3500万人の人が亡くなったことは、以前お話ししました。
 そして約100年前にはスペイン風邪というインフルエンザが流行し、地球上の5億人の人が罹り約3500万人の人が亡くなったといわれます。

 今、流行している新型コロナは、第2波の流行を過ぎようとしています。引き続き第3波が襲って来るようですし、毎年流行のインフルエンザと混同しそうですし、恐らく新型コロナの終束には、2年はかかると予想されていますので、来年の東京オリンピックの開催も危惧されています。

 100年前のスペイン風邪をめぐり、政府の感染症対策を批判した勇敢な日本人女性がありました。現在とても注目され、鋭い批判精神が改めて脚光を浴びています。その女性は与謝野晶子であり、彼女は小説家、詩人でもあり、歌人でもありました。

 晶子は明治11年に大阪に生まれました。幼い頃から詩を読んでおり、短歌の勉強をしていました。成人したころ、東京に短歌の革新運動が起りそれを主唱していた与謝野鉄幹と知り合い、「東京新詩社」を結成し、「明星」という機関紙を創刊しました。
 2人はやがて懇意になり結婚し、双子を含む11人の子供を育てました。明治、大正、昭和を走り抜き、63年の生涯に歌集「みだれ髪」に代表される情熱的な歌を数多く詠み、反戦詩を書き、女性の経済的自立や、政治への参政権を訴えました。反戦思想が旺盛で、「君、死にたまふことなかれ」という詩は余りにも有名です。

 君とは御主人のことだとばかり私は思っていましたが、そうではなく、実は自分の弟のことだったのです。当時、日露戦争のさなかにあり、自分の弟が戦地に赴くときの情景や心情を吐露したものです。 「ああ、弟よ君を泣く、君、死にたまふことなかれ」に始まり、「すめらみことは、戦に おほみづからは出でまさぬ」「明治天皇自ら出征されぬのに、お前だけが行く必要があるのか」と正々堂々と歌いあげました。

 軍国主義の眞只中にありながら、この歌を詠み、女性も政治に関心を示すべきだし、女性も自分でどんどん働いて、自立して行かねばならないと叫んだのでした。

 このように晶子の多彩で真摯な活動は現在、文学面だけでなく教育・言論界など多方面から高く評価されているのです。

 新型コロナが終息に向っているようですが、先にももうしましたが、例年のインフルエンザと第2波が重なりそうですので、早い中にインフルエンザのワクチンの接種を受け、流行に備えましょう。

 今月も何卒、よろしくお願い申し上げます。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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