朝礼訓辞

平成30年7月 朝礼訓辞

 最近、地震があちこちで起っており、大げさに云えば毎日のように地震のニュースが流れています。
 先月は、江戸時代のこと、地震により津波が発生し、ある村の当時の村長さんの機転により、400人の命が救われたという実話をもとにした「稲むらの火」の話をしました。

 今月は、逆に学校の先生達の判断の誤りにより、児童74人と先生ら10人が犠牲になり、目下裁判沙汰になっている話です。
 7年前、平成23年3月11日、東日本大震災が起きましたが、地震のあと、先生の指示があり、校庭に集合するようにとのことでした。生徒達は約40分そこにとどまることになり、校庭で全員が津波に巻き込まれてしまいました。
 宮城県石巻市の大川小学校は海から4㎞ほどの内陸にあり、近くを北上川が流れています。地震が起きたのは、午後2時46分でした。帰りの会をしていたクラスもありましたが、全員が校庭に集められました。
 大津波警報が出たので、学校の裏山に逃げようと先生に云った子もいました。
午後3時半ごろ、津波が近づくのを知らせる車が通りました。その後、先生が避難を指示したのは、裏山ではなく北上川近くの小高い丘でした。歩き始めてすぐの午後3時37分ごろ川をさかのぼった津波が堤防をこえて流れ込み、みんな飲み込まれました。
助かったのは、児童4人と先生1人だけでした。
 地震のあとすぐ裏山に逃げれば助かったと考え、親たちが裁判を起しました。
仙台高等裁判所の判決は、地震による津波が予想できたのに、逃げる場所や方法を決めていなかったことなどが大きな被害につながったと認め、宮城県と石巻市に14億3千万円を払うよう命じました。
 宮城県と石巻市は、判決を受け入れず最高裁判所で裁判が続くことになりました。

 日本では、大地震や津波が、どこでも起る心配があります。
災害が発生した時にどう行動するか、学校や病院や家庭でも常に話し合っておくことが大切です。
 消防訓練にしても然りです。
今日本では、災害に対する認識が高まり、いろんなことが協議され準備がなされています。

 7月に入り、暑い夏がやって参ります。
熱中症などに注意して、今月も一緒に頑張りましょう。

  平成30年6月18日 南日本新聞より 
 

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

トップへ戻る
スタッフ
アクセス
新着情報
ギャラリー