朝礼訓辞

平成29年4月 朝礼訓辞

 「勝っておごらず、負けて腐らず」と云ったのは、プロ野球選手の元巨人軍の長嶋茂雄監督
です。
ちなみに長嶋氏と私は同じ年の同窓生で81歳になります。

 先月19日に行われた西之表市長選挙では、八板俊輔氏が当選しましたが、応援して下さった
方々には御礼を申し上げたいと思いますし、そうでもなかった人も沢山居られるでしょうが、
腐らずに、西之表市の発展のためにエールを送ってほしいものだと思います。

 市長選は、4年に一度行われますが、オリンピックも4年に一度開催されます。
今、行われているオリンピックは近代オリンピックと呼ばれていますが、紀元前3000年(今から
5000年前)にすでに古代オリンピックというものがギリシャのアテネで行われていたのです。
 この時は、短距離競争のみで不正を防ぐために、全裸で競技を行ない、勝者にはオリーブの冠
が与えられ、税が免除され、神殿に像が建てられ、報奨金も大きくなり、それに伴い、不正が
行われたり、審判を買収するなど、平和の象徴とも云えるオリンピックが人間の欲望に浸食
され、腐敗して行き、紀元前393年の大会を最後に歴史から消え去りました。
 それから、約500年後の986年に近代オリンピックと云われるものが開催されました。
日本が初めオリンピックに参加したのは、105年前1912年スウェーデンのストックホルムで
開催された第5回大会のことでした。
 この時、出場したのは短距離の三島弥彦という人とマラソンの金栗四三という人だけでした。

 金栗は当時、世界記録保持者で日本中が好成績を期待していたのですが、レースの途中、
日射病により意識を失ってしまいました。
金栗は、近くの農家で介抱されることになりました。
彼が意識を取り戻したのは翌朝のことで、大会では選手が行方不明になったと話題になりました。
 それから数十年後、未だゴールしていないだけで棄権との見なされていなかった金栗は、
次のストックホルムの五輪式典に招待され、果たされなかったゴールを達成しました。
 スタートしてから54年8ヶ月6日3分20秒3という記録は今でもマラソンの最遅記録として、
今でも残されているそうです。
 彼はインタビューに対し、
「長い道のりでした。この間に孫が3人できました」
と答えたということです。

 選挙やスポーツには、勝った人がいれば負ける人がいます。
しかし、人生に勝ち負けはありません。

 如何に自分に眞実に眞摯に生きたかが、問われるのです。
自分の為だけではなく、他人の為に少しでも役立つようなことが出来たかが問われるのです。

 死んだのち、初めて、その人の眞価が問われるのです。

 新年度に入りましたが、今年度も何卒よろしくお願い申し上げます。
体に気を付けながら楽しく頑張りましょう。 

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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