朝礼訓辞

平成29年3月 朝礼訓辞

 17才で白血病で亡くなったある女子高校生が、友人に宛てて残した一通の手紙があります。

「これが私の出す最后の手紙であるかも知れません。
 本当に今何を書いたらいいのか、解りません。
 今生の別れに言葉は、何がいいのか今は思いつきません。
 私はもう一度生きたい。病気を克服してもう一度生きたかった。いろいろありがとう。
 私のために、泣き、苦しみ、疲れた身を捧げてくれた人達へ。
 人間は誰かの役に立ちたい。救ってあげたい。
 また誰かのまた何かのために死にたいと理想をもつものでしょう。
 自分の生が、死が意味あるものでありたいと思います。
 少なくとも私にとってあなたがたの生は意味あるものであるだけではなく、
 なくてはならないものとし存在しているのです。
 あなたは、勇気ある強い人間です。
 あなたは、人を救ったんだという満足感と自信にあふれて生きて行ってほしい。
 あなたは、私にとってなくてはならない人です。
 そう思ってあなたに心から感謝と尊敬をしている人がいることを忘れないでほしい」

 以上が手紙の全文ですが、この手紙をもらった友人は、担任の先生に話し、
学校の授業でも取り上げられ、「エキスパートナース」という雑誌にも掲載され、
反響を呼びました。
 多くの人が感動しましたが、17才の少女の渾身の思いが、彼女という人間の生きた証が
込められています。
 そしてまた、私達の心にも、彼女の存在が投影され、彼女は私達の心の中にも
生き続けるのです。

 嘆き悲しんでいる人の話を聞いてあげ、寄り添ってあげること、苦しんでいる患者さん
にやさしく接して支えてあげること、少しのことでよいから人の為に役立つようなことを
してあげること、少しのお金でよいから困った人の為に捧げること、そんなことをいつも心
に秘めて、日々、生きて行きたいものだと思います。

 寒さが続きます。体に気を付けて、頑張って参りましょう。

大津 秀一著「死ぬときに後悔すること」より 

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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