朝礼訓辞

平成27年11月 朝礼訓辞

 嘘つきで有名だった男が、いよいよ最后だというので、町内の衆(皆さん)が集まって
来ました。大家さん(今の部落会長)が、この男に向かって「お前さんはこれまで、大変な
嘘つきで通って来たが、こんな時ぐらい正直になりなさい」と云うと、男はうなずいて、
苦しい息の下から云いました。
「今迄嘘をついて皆さんにさんざん迷惑を掛けて来ました。でも、私の家の床下につぼが
埋めてあって、小金が入っています。私が死んだあと、皆さんで分けて下さい」

 男の死んだあと、床下を掘って見ると、男の云った通り、小さなつぼが見つかりました。
しかし中にはお金は入っていませんでした。その代わりに1枚の紙切れが入っていて、こう
書いてありました。 「これが嘘のつきおさめです」江戸小ばなしの中の1つで駄洒落です。

 次は本当に有った話です。皆さんは一休和尚さんのことは、子供のころ学校や家庭で
よく見たり聞いたり、絵本などで読まれたことと思いますが、一休さんは室町時代、
臨済宗の僧侶でしたが、諸国を漫遊して、いろんな逸話を残しています。

 この一休さんは、臨終の時に「この遺言状は、将来この寺に大きな問題が生じた時に
開けなさい」と遺言を残しました。

 この寺とは、京都の大徳寺という寺ですが、天皇家が出入りする京都五大寺の1つであり、
一休さんが死んでから丁度100年後、この寺にお寺の存亡が問われるような大事件が
発生しました。

 それは、豊臣秀吉が茶道の千利休に切腹を命じた事件でした。大徳寺の門徒たちは、
一休和尚の遺言状を思い出し、開けてみたら何と「成るようになる、心配するな」と書いて
あったそうです。

 人の一生は、不安だらけです。不満だらけです。心が休まることが少ないのが普通です。
しかし、空の鳥には休める巣があり、きつねには、ゆっくり休めるねぐらがあります。しかし
人間には、常に満足で何も心配することなく生きることは、殆ど無いと思います。
 成るようになるのだという思いも持ちながら、毎日毎日、人に親切にし、患者さんに
やさしく接し、笑顔を絶やさず生きて参りましょう。

 今月も一緒に働いて参りましょう。インフルエンザの予防接種を受けて下さい。
入院患者さんも出来るだけ全員にして貰うようにし、酷しい冬を乗り切って参りましょう。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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