朝礼訓辞

平成26年6月 朝礼訓辞

1991年といいますから今から13年前の話ですが、台風が次々に上陸して、青森県のリンゴが9割も落ちてしまったことがありました。
作ったリンゴの9割が売れない。リンゴ農家の人々は、肩を落として嘆き悲しみました。
しかし、中に悲しまなかった人がいたそうです。大丈夫、大丈夫、心配しなくても良い、悲しまなくても良いと皆を励ましました。
その人は落ちなかったリンゴを「落ちないリンゴ」という名前で受験生に売り出したのだそうです
1個1000円で。すると高いけど飛ぶように売れたそうです。受験生は縁起がいいと大変喜んで食べました。
これで農家の人も助かり飼った受験生の喜びも生まれました。

作家の三浦綾子さんは新婚時代が最高に豊かで幸せであったといっています。
太平洋戦争中のことですから6畳一間の間借りの生活で、茶碗に皿と小さなちゃぶ台のとても貧しい生活でした。
何もなかったから最高に幸せだったというのです。
一つ一つ揃えていくことで、一つずつ幸せになって行けたからといいました。
人は何もないことの中にも「喜び」を見いだせるのです。

健康をくずして病気になった時、自分は不幸だととらえる人もいれば、明治時代の物理学者、寺田寅彦さんのように「健康な人には、今からいつ病気になるであろうかと心配があるが、病人には回復するという楽しみがある」という人もいます。

人間の幸・不幸は、その人の心が決めるのです。
幸せは私達の心の捉え方が決めるのです。

辛い時、悲しい時、くじけてはならないのです。必ず幸せが来ることを願って、自分で幸せを見つけなければならないのです。

仕事があり、ご飯を食べられること、友人がいてくれること、歩けること、話せること、本を読めること、指が動くこと、手が動くこと、見えること、私達を囲んでいる何でもないことの中に幸せがあります。

6月、梅雨の季節です。食中毒などに注意しながら今月も一緒に頑張りましょう。

最後に、先月28日、韓国の病院で火災が発生し、21名が窒息死し、6名が重症、2人が軽傷を負うという災害がありました。81才になる認知症の男性患者が放火したもののようですが、私達も十分に気を配りながら看護・介護に当たらなければならないと思います。よろしくお願いします。

医療法人純青会 せいざん病院
理事長  田上 容正

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