過去更新記事
今、日本で注目を集めている25才になる女性の詩人があります。堀江菜穂子さんという重度の脳性麻痺を患う「声なき詩人」です。出産時のトラブルで脳性麻痺を患い、話すことも、体を動かすことも出来ません。
寝たきりの生活を送りながら、筆談により数多くの詩を紡いで来ました。詩を作ることにより、自らの可能性を大きく広げ、人々に生きる勇気を与え続けています。
お母さんが幼い頃から「浦島太郎」や「赤ずきんちゃん」などの本を聴かせ、平仮名をおぼえ、特別支援学級の小学校高等部のころから、詩作を始めました。
自分がパソコンで筆談でキイを叩き、それを文章にしてもらい詩をうたいあげたのです。
今までに2000点を大きく超える詩を作りましたが、その中の代表作の1つに「たいていのこと」というのがあります。
タイテイノコト、ノリコエラレル。タイテイノコトハナントカナル。
デモ、ソノタイテイニナラナイコトガ、イキテイルカギリ、カナラズアル。
イママデ、ケイケンシタコトノナカッタ、コンナンハオモクノシカカリ、
キュウキョクマデオイツメラレル。
ソンナトキハタダヒタスラ、タダジット、ハヲクイシバッテ、
ジカンガスギルコトダケヲ、マテバイイ。
ジット、ズット、タダヒタスラニ、ジカンガスギルマデ、ココロヲカタク、
ハヲクイシバッテイタラ、コンナンハ、アラシノヨウニスギサッテイルカラ。
堀江菜穂子さんは、こう仰言っています。私は自分の体を思うように動かせないし、歩くことも、喋ることも出来ません。そんな姿を見て皆、可哀想だと思うようなのですが、私は決して不幸ではありません。
生きることは、とても困難だけれども、不幸とは違います。
私達も心配事や困難なことに出会っても、決して諦めないで歯を喰いしばって生きて行きましょう。
新型インフルエンザが流行っています。うがいや手洗いに注意して、今月も一緒に頑張りましょう。
「致知」1月号より参照
医療法人純青会 せいざん病院
理事長 田上 容正